こんばんは

毎週土曜夜8時恒例の保有車両紹介です(元ネタはやはりアレである)。


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さて本日はお待ちかね(?)、鉄道コレクション&GM改 名鉄5200系タイプをお送りしませう。

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名鉄初の高性能車5000系の改良型として1957年より投入されました。
車体長は5000系の増結用中間車モ5150と同様19mに延長され、また前面は貫通型となり前面窓がパノラミックウィンドウとなり、側窓は5000系のユニット式に対し1段下降式に変更され側面の丸味もストレートになる等、5000系よりもスリムでスマートな印象を受けます。機器類は5000系と同等ですが、台車はアルストム式ではなくモ5150で採用されたペデスタル式のFS315となり乗り心地の向上が図られています。

2連×6本が製造され、5000系と共に名古屋本線の優等列車を中心に投入されましたが、5000系と同じく5500系やパノラマカー7000系の台頭により次第に優等運用からは外れて行く事となります。5000系の6両→4連化時に外された、機器と車体長が同じ中間車モ5150を組み込んで6本中5本が4両固定編成となり、5000系と合わせて非冷房SR車は4連10本・2連×1本の陣容となりました。なお中間車は5000系と同様の丸みを帯びた車体断面のため、4両固定編成化された5200系は先頭車と中間車で車体断面が全く異なり強烈な違和感を与えます。
塗装の変遷は5000系同様、当初の優等車塗装であるマルーン+ライトピンクのツートンからライトパープル・ストロークリーム+赤帯・スカーレット+白帯と変遷した後、最終的にはスカーレット1色に落ちついています。

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1978年より特別整備が行われ、雨水の流入による車体腐食の原因となる1段下降窓は5000系同様のユニット窓に交換されました。しかし名鉄に於いては最後まで冷房化は行われず、5000系同様5300系に機器を譲る形で1987年までに名鉄での活躍を終える事となりました。しかし12両全車とも解体される事無く、同じ豊橋を拠点とする豊橋鉄道(当時架線電圧DC600V)に譲渡されました。
元々の機器類は5300系に供出されたため他社からの廃車発生品で補填する事となり、台車・モーターは国鉄101系発生品のDT21/MT46を搭載・制御装置は名鉄3880系の廃車発生品を流用し、豊鉄の従来車との互換性を確保しました。名鉄で断念された冷房化は、比較的軽量な路面電車用分散冷房装置を搭載する事で実現するなどの大改造を経て、1900系として1986年より再出発する事となりました。
豊鉄初の冷房車・高性能車として活躍した1900系でしたが、同線の架線電圧1500V昇圧に際し、名鉄から譲渡された7300系に代替される形で豊鉄従来車共々1997年に全車廃車となりました。7300系はご存知ツリカケ駆動のため、カルダン駆動車が釣りかけ駆動車に置き換えられると言う珍事が発生しました。引退後、台車・モーターや冷房装置は福井鉄道・京福電鉄(→えちぜん鉄道)で再利用されるも、製造から40年を経た車体の再々就職先は見つからず全車解体となりました。

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・模型について
以前からGMキットの5500系から改造製作できる5200系ですが、鉄コレでも先に譲渡後の豊鉄1900系から製品化されたのちに2010年4月に発売されました。当社では2017年2月と8月にそれぞれ1本ずつ合計4両導入しました。

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導入当初の姿。
製品は唯一2連を組んでいた5209-5210の2両セットで、窓は当初の1段窓時代なので1970年代初頭から70年代末期の姿です。登場時のツートンは出ましたが、モ5150を組み込んだ4両セットは現在も発売されないので80年代派としては少々物足りないものです。

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フリーランス用として買うも廃車となって部品取りとなった豊鉄1900系のボディが既にあったので、その窓ガラスを流用し中央の桟を赤く塗ってひとまず2段窓化された末期の姿に(写真右)。これだけでも雰囲気は変わります。

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しかし見た目が全く異なる中間車モ5150の製作については中々着手できずに2+2の4連を基本に運転していました。

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5200系同士は勿論5500系や5000系など他のSR車との連結も楽しめるようTNカプラー化しています。

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同系の5500系との並び。
形態はよく似ていますが冷房の有無により前面の丸味が異なります。

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中間車計画はあきらめておらず、豊鉄の廃車体を用いてそれらしきものを仮組みしてみましたがやはり断面が同じなので納得いかない模様。

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そんな中で手にしたのは、古くからグリーンマックスから発売されている名鉄5500系キット。モ800製作で得た技術をヒントにこれを素材に中間車を作ってみることとしました。

詳しくは↓
名鉄5200系の中間車(らしきもの)を製作する~1
名鉄5200系の中間車(らしきもの)を製作する~2

メイキングに関しては上記記事をご覧いただくのでここでは端折って載せます。

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キットは先頭車2両セットですが、妻面側の側板を2つ途中で切断し接合し中間車を作ります。左右で長さが違っては平行四辺形のボディ(上から見たら)になってしまうので慎重に作業します(それでもやや誤差があったりする)。

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長さは見事に5200系と同じ長さです。
なおこの工法で製作できるのはモ5150タイプのみであり、5500系の中間車とは長さが変わってしまうので注意が必要です。

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車両を組み上げて編成内に組み込んでみます。

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今回は普段使用しているGMの27番「レッドA」とは異なり、Mr.カラー「モンザレッド」を試用してみました(左)。レッドAよりも濃い赤といった感じです。しかし組込み先の5200系とは全く色が合いません。そこで…

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組込み先の5200系ごとモンザレッドに塗り替えてしまいました。これによりナンバーも変更しています。

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赤く塗装した中間車ですが、この後屋根の塗り分け、窓サッシ・戸袋窓Hゴムへの色挿し、床下機器整備・窓ガラス入れなどを行いカタチになりました。

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そしてようやっと完成…しましたが、思ったよりも実物のようなボテッとした感じは出ませんでした。
しかし中間車だけ何か雰囲気が異なる様子を再現出来ており自分的にはご満悦です。

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5200系と5000系とで異なる2段窓の構造も一応再現出来ています。

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というわけで試運転へ。
こうしてみると違和感はありますがやはり実物には程遠いですね。

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ですが後ろの方をボカしたりすると何となくモ5150っぽく見えるので面白いものです。


編成細見

1モ5208

モ5208
4連の岐阜・弥冨方制御電動車。主制御器・主抵抗器・パンタグラフを搭載。中間車に動力を仕込めないため先頭車を動力車としています。

2モ5157

モ5157
モ5208とユニットを組む中間電動車。MG・CPを搭載。
5000系組込み時代をパンタグラフを装備していましたが後年撤去され跡のみが残ります。

3モ5158

モ5158
モ5207とユニットを組む中間電動車。主制御器・主抵抗器・パンタグラフを搭載。
床下機器は5000系・5200系全車共通としています。

4モ5207

モ5207
4連の豊橋・河和方制御電動車。MG・CPを搭載。
4連は中間車組み込み編成の5207F(5208-5157-5158-5207)に改番しています。

5モ5210

モ5210
2連の岐阜・弥冨方制御電動車。主制御器・主抵抗器・パンタグラフを搭載。
5200系は2連6本ありましたがモ5150ユニットは5組のみだったためこの5209Fのみが2連で残り、増結用や後年の特別整備時の代車として用いられました。

6モ5209

モ5209
2連の豊橋・河和方制御電動車。MG・CPを搭載。
特に必要が無いので2連に関しては塗装変更・改番は未施工です。

FS315

台車は5000系のアルストム式とは異なり、ペデスタル式のFS315を全車とも装備します。
保守性及び車軸間距離を拡大したことにより乗り心地が向上したとの事です。製品付属のものなどをありったけかき集めてきました。

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4連の行先は「急行犬山経由新岐阜/急行常滑」としています。
急行常滑表示はBトレステッカーに付属した常滑競艇のものを装着してみました(上から2番目の画像参照)。
先頭車にはジャンパ栓などを追加しています。

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増結用の2連の行先は「急行鵜沼/高速美合」としています。

ギャラリー

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モ5150を組み込んだ4連の急行。
(実物の)外観は大きく異なりますが機器はほぼ同一であるところが面白いところ。

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車体に丸みをつけたりは出来ていませんが技術力向上の折には再チャレンジしてみたいところです。

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5200系の2連を先頭に6連で走る鵜沼急行。

5207+5001

5000系タイプとの初期SR者同士の並び。5000系タイプはGMレッドA・5200系はMr.カラーのモンザレッドなので色味がかなり違います。どちらもそれなりに名鉄に見えます。

5209+5507

5500系の高速を待避する5200系の急行。
スタイルはよく似ていますが冷房の有無がやはり大きな差異です。

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5000系との連結シーン。
一見全く異なる見た目ですが足回りはほぼ同じなので連結できてしまうところが名鉄SR一族のすごいところです。

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7000系パノラマカーとの並び。
勿論連結して走れますがサービスレベルの格差がすごいですね。しかしこの2形式がわずか4年の年の差というのも驚くべき点です。

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さらなるサービスアップにより5200系は引退しますが機器は5300系に流用され、2019年のNSR車全廃を見届けることとなります。
なお模型化した5207・5209Fの機器を流用した5300系は2011年までに全廃されています。
※参考:鉄道ピクトリアルNo.969

この辺りから作る楽しみに目覚めてしまったようで、勢いでキットを買ってみたりしますがやはり積んでしまいますね。買ってばかりではなくてちゃんと作りませう。
あとそのうち豊鉄時代のも買ってみようかなと思っていたりいなかったり…


最後までご覧いただきありがとうございました。